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なぜ調剤薬局なのか?

カケハシの現在地

調剤薬局向けSaaS企業と紹介されることの多いカケハシですが、それはあくまでビジョンの実現に向けた一歩目にすぎません。しかし、とても重要な一歩目です。既存の医療機関を見渡したときに、「本来の姿」と「実態」に大きな乖離があり、それを解消することで大きな価値を生み出すことができる領域。それが薬局業界だと私たちは考えています。
 

薬局・薬剤師が本来はたすべき役割

一般的に、薬局は「病院で処方された薬を受けとるところ」だと認識されていることがほとんどではないでしょうか。しかし、本来、薬局が果たすべき業務はそれだけにとどまりません。薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)において、薬局は「薬剤師が販売又は授与の目的で調剤の業務並びに薬剤及び医薬品の適正な使用に必要な情報の提供及び薬学的知見に基づく指導の業務を行う場所」と定義されています。薬局には、単に薬を調剤して渡すのみならず、薬に関する正確な情報を患者に伝え、薬物治療の効果を最大化するための適正な利用を促進する義務があるのです。
 
薬は、患者一人ひとり異なる症状や生活習慣、体質等にあわせて、適正なものを適正な分量で適正に利用することで、初めて効果を発揮するという極めて繊細なもの。扱いを間違えると、むしろ毒になることすらあります。薬を正しく使うことができているか、副作用は出ていないか、薬の重複はないか、薬と薬の飲み合わせ、薬と食品の食べ合わせに問題はないか、薬の効果は十分に発揮されているのか……。さまざまな観点で患者さんの状態・状況を把握し、最小の薬剤で最大の効果を上げられるようサポートすることが、本来、薬局に求められる役割です。
 
そして、そのための専門的な知見を有し、国家資格として薬学的ケアの実践を認められているのが薬剤師。薬剤師の資格を得るには、大学薬学部(6年制)における専門課程を修了し、薬剤師国家試験に合格しなければなりません。一般的に「薬を渡してくれる人」である薬剤師は、本来、薬学に特化した医療人として研鑽を積んだスペシャリストなのです。
 

伸びしろだらけの薬局業界

薬局は、日本全国に約6万店。コンビニの店舗数が約5万5000店であることを考えると、その膨大な数がよくわかります。これだけの薬局が本来の機能を果たし、薬剤師の職能が最大限に発揮されるようになれば、治療効果は上がり無駄な薬が減っていく……つまり、国民医療費の適正化に大きく貢献できるはず。
 
幸い、法改正や政策は薬局の変化を促進する方向へと動いており、レガシー業界であるがゆえにデジタル技術による業務変革の余地も大きく残されています。カケハシが今このタイミングで調剤薬局に目を向けているのは、まさにこのためです。